桃李塾かわら版~その15~
- mnakamuracbb
- 3 日前
- 読了時間: 2分
一年早いもので、もう師走となりました。師が走るほど忙しくなるのがこの月だそうで、確かに気ぜわしい季節です。1年やり残したことがないよう、来年を気持ちよく迎えることができるよう隅々まで気になって仕方ありません。桃李塾も運営を任されている自分からしたらとても気を病む時間が多かったかと。今回の一言にありますように、静かに飛躍を待つことでしょうか。
12月号です。お読みいただければ幸いです。
一会一言 吉田松陰名語(十五) 川口雅昭
四檐の雨聲転た寒をなす、小樓に枯坐し書を発きて看る。初めて覚ゆ春に入りて晷まさに永く、一巻の兵韜読んで残し易きを。
弘化三年二月「春雨」
【訳】
四方の軒に降る雨の音が、いよいよ寒さを感じさせる。小さな楼にひとり寂しく座り、書物を開いて読む。ようやく春に入り、日脚が長くなったのを覚える。兵法書『六韜』を一巻読み進めるが、まだ読み残しやすいところがある。
【解説】
松陰先生は今も旅に生きた人といわれることがある。しかし、ここに、自室にこもり、一心に学問に励まれた姿がある。十七歳の先生である。これが後の「飛躍」の元となったのであろうか。
此の度、高知県室戸岬、青年空海が悟りを得たといわれる「御厨人窟」を訪ねた。そこにあったのは、空をわたる風の音と打ち寄せる波の音、将に、空と海だけであった。修行、学問には何もいらないことを改めて学んだ。桃李塾の塾生と学ぶ英語に「enduring fruitful monotony(実りをもたらす単調な生活に耐える)」とあったのを思い出した。将に然り。今は故郷佐賀の地で、一心不乱に学問に励んで欲しい。いずれ飛躍の時は来る。
桃李塾とは
「心ある日本人たれ」を塾是とし、中・高校生を対象に、国家社会のリーダーたる人材を育成することを目指しています。
桃李塾では、定期的に私たちの活動状況などをお送りします。
心で感じて、心を読んで、心にふれて、そんな思いに御支援をお願いします。


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